カミラワリエワ選手のドーピング問題に揺れる、北京オリンピックのフィギュアスケート。
そのカミラワリエワ選手を指導する、エテリ・トゥトベリーゼコーチに非難の声が集まっています。
エテリ・トゥトベリーゼコーチは、オリンピックメダリストを育ててきた凄腕の名コーチですが、指導法が驚くほど厳しいことで有名。
そして、今回の北京オリンピックでは、カミラワリエワ選手が女子シングルのフリーを滑り終わった後、激しく叱責したことが問題視されています。
エテリ・トゥトベリーゼコーチはいったいどんな言葉をカミラワリエワ選手になげかけたのでしょうか?
エテリ・トゥトベリーゼとはどんな方なのでしょう??
エテリ・トゥトベリーゼのワリエワ演技後の罵声
ドーピング問題の渦中にいながらも、カミラワリエワ選手はショートプログラムで首位に立ちました。
そして、金メダル有力候補としてフリーに臨みましたが・・・やはり動揺があったのか、冒頭のトリプルアクセルを失敗、そのあとの4回転ジャンプも転倒するなどミスを連続してしまいました。
力を落とし、涙を浮かべながらリンクから戻ってくるカミラワリエワ選手を迎えるエテリ・トゥトベリーゼコーチは…、なんと、信じられないような厳しい罵声をカミラワリエワ選手に浴びせたのです。
「アクセルの後、戦うのを放棄したわね。」
「なぜ諦めたの?」
「説明しなさい。」
傷ついた15歳の少女に対して、容赦ない叱責でした。
4位という結果が発表され、キス&クライで泣き崩れるカミラワリエワ選手…。
きっと心に深い傷が残ってしまったことでしょう。本当に心配です。
このエテリ・トゥトベリーゼの厳しい振る舞いに対しては、様々な意見が寄せられています。
ロシアのツイッターでは「耐えられない」「恥さらし」という非難の声が集まり、国際オリンピック委員会のバッハ会長も『とても冷たい対応だった。まるで彼女を拒絶しているようにみえた。』とコメント。
一方で、「彼女を『15歳の少女』としてではなく、いちフィギュアスケーターとして接している」と擁護する声もありました。
エテリ・トゥトベリーゼはどんな人?
フィギュアスケート界の剛腕コーチ、エテリ・トゥトベリーゼさんとはどんな人なのでしょうか?
1974年2月にモスクワで生まれたエテリ・トゥトベリーゼさんは、4歳からフィギュアスケーターを目指したが、頻繁にけがを繰り返し、18歳の時にアメリカに渡ってアイスダンサーになりました。
6年間、ロサンゼルスやニューヨークなどでアイスショーの団員として活動し、ロシアに帰国。
その後、指導方法を学び、振付の学位を取得して、2000年から本格的に指導者としての道を歩み始めたのです。
エテリ・トゥトベリーゼの指導方法は『非情』ともいえるほど厳しいそうですが、今までに数々の名スケーター、メダリストたちを育ててきています。
今回の北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワ、金メダルのアレクサンドラ・トゥルソワ、平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ、銀メダルのエフゲニア・メドベージェワも、エテリ・トゥトベリーゼさんの教え子たち。
確かな実績を示してきたのは間違いありません。
エテリ・トゥトベリーゼの使い捨てとは?
今大会に出場したワリエワ、トルソワ、シェルバコワを指導するエテリ・トゥトベリーゼ・コーチは通称「鉄の女」。厳しい指導のみならず、スケート場を「工場」、選手を「原材料」と表現する。その言葉に従えば、ワリエワは「製品」だろう。つまり、ドーピングという「いわく」がついた「製品」は、もはや用済みになっても不思議ではないのだ。
そもそも、近年のロシアのフィギュア選手は、五輪に限れば1大会限定の「使い捨て」が多い。2018年の平昌五輪金メダリストのザギトワはまだ19歳ながら、今季の強化指定メンバーから除外。現在はインフルエンサーとして、テレビ番組の司会やモデル、タレントとしても活躍し、北京五輪も取材で訪れている。
出典元:日刊ゲンダイ
『スケート場を「工場」、選手を「原材料」と表現して選手を「製品」と例えています。
そして、オリンピックは1大会限定として「使い捨て」が多いと言われています。
でも、やり方が良いか悪いかさておき、エテリ・トゥトベリーゼが指導した選手がトップなのも事実。
そして、カミラワリエワ選手は今回ドーピングで「使い捨て」になるのでしょうか。
ロシアのスケート選手の中でもカミラワリエワ選手ほど、演技力・技術力・スタイル・ルックス・スター性がある選手は今ままでにいたでしょうか。
4回転ジャンプに目が行きがちですが、表現力が豊で、まるでスケートをしながらバレーを踊っているようで、まさに『芸術』とはこういうことをいうのだろうと感じてしまいます。
ドーピングは良い事ではないですが、「使い捨て」でこのまま無冠で終わってしまうにはあまりにも惜しい選手です。
まだ15歳の少女。フィギアスケート界に革命を起こす存在で、全てにおいてレベルが違うと感じてしまう。
カミラワリエワ選手はエテリ・トゥトベリーゼに「使い捨て」されても、他のコーチの元でやることもできる。
いやそういう環境を作ってあげて欲しいと祈るばかりです。
エテリ・トゥトベリーゼの生徒、エテリ組とは
ロシアには『サンボ70』と呼ばれるトップアスリート養成所があり、そこのフィギアスケートのコーチとなったのがエテリ・トゥベリーゼ。
そのエテリ・トゥトベリーゼの元で学んできた門下生は次の通りです。
- ユリア・リプニツカヤ
- エフゲニア・メドベージェワ
- アリーナ・ザギトワ
- エリザヴェート・トゥルシンバエワ
- アリョーナ・コストルナヤ
- アンナ・シェルバコワ
- アレクサンドラ・トゥルソワ
- カミラ・ワリエワ
メダリストばかり、ものすごいめん―です!
このエテリの門下生たちが『エテリ組』と呼ばれています。
『エテリ組』の中で、最初にエテリ・トゥベリーゼを有名にしたのが『ユリア・リプニツカヤ』です。
ユリア・リプニツカヤはソチオリンピックの団体戦でSP・FSで1位となり、金メダルを獲得して一躍国民的スターとなりました。
そこで、ユリア・リプニツカヤを育てたエテリ・トゥトベリーゼが一気に脚光を浴び、その後、メドベージェワやザギトワなどのスター選手を育ていったのです。
エテリ・トゥトベリーゼ、まとめ
ドーピング疑惑の渦中で傷心の15歳のワリエワに厳しい言葉を投げ勝てたエテリ・トゥトベリーゼコーチ。
その振る舞いに非難の声が集めるものの、数々のメダリストたちを育て、輝かしい実績を残してきたことも事実。
ドーピング問題の結末やワリエワ選手の進退について注目が集まっていますが、エテリ・トゥトベリーゼコーチはそれらについての鍵を握っている可能性は高そう。
今後の動向から、本当に目が離せませんね!